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就活を成功させるには、熾烈な競争を勝ちぬく必要があります。他の学生よりも少しでも高評価をもらうために、禁断の果実をかじるような思いでやってしまうのが、自分の経歴を盛ってしまうこと、つまり嘘をつくことです。
今回は、就活でどのくらいの人が嘘をついているのか、嘘をつくことのメリット、デメリットは何かについて詳しく解説します。なお、本記事では嘘をつくことを推奨しているわけではありませんので、あくまでも一つの参考としてご覧ください。
先日、就職・転職系シンクタンクが社会人を対象にアンケート調査を実施したところ、就活の際に面接やエントリーシートで嘘をついたことのある人の割合が、全体の約4割を占めたことが話題となりました。
調査概要
調査媒体:Job総研
調査対象者:全国/男女
調査条件:社会人3年未満/20~1000人以上規模の会社に所属
調査期間:2022年7月6日〜2022年7月11日
サンプル数:191名
調査方法:インターネット調査
嘘をついた内容としては、最も多いのが本当は第一志望ではないのに、第一志望だと答えたことで、こちらは5割近い回答となっています。その次に多かったのが、ガクチカ(学生時代に力を入れて取り組んだこと)の内容を盛って自己PRしたことで、こちらが約3割。他にも回答がありましたが、「第一志望だと嘘をついた」「ガクチカの内容を盛った」の2つが、突出して多い回答となっていました。
しかもこの調査では、嘘の内容が面接官の評価につながったとの回答が約7割に上っており、嘘をつくことが、就活を有利に進めることにつながり得ることを示しています。
面接に当たる人事担当者としては、薄々わかってたことだと思いますが実際の数字を見て驚かれた方も多いのではないでしょうか?
では実際のところ、就活で嘘をつくことにはどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。少し掘り下げて考えてみましょう。
嘘=ネガティブな印象はありますが、その内容次第では就活で嘘をつくことには間違いなくメリットもあります。実際、社会人つまり就活で一定の成功を収めた人の約8割が嘘をついたことを認めているわけですから、事実として嘘をつくことは有効な面があるわけです。
・性格や長所などは、嘘でも評価につなげられる
嘘といっても、学歴詐称や、やってもいなかったアルバイト・サークル・ボランティア活動の話をするのは、社会的・公的事実に反する悪質な嘘であり厳禁です。しかし、「コミュニケーションが得意」や「外向的」などの性格、「運動が得意」や「集中力がある」などの強みや長所については、多少の嘘を盛り込んでもばれることがなく、しかも面接官に好印象を与えられます。
たとえば、小さい頃からボランティア活動や社会に貢献する行為などにはまったく興味がなく、性格も内向的で人見知りをする就活性を考えてみましょう。そしてこの就活生が、学生時代にたまたま友人・親族などに頼まれて、いやいやながらボランティアに参加した経験があるとします。
この場合、「昔から社会に貢献することに関心があり、学生時代にはボランティア活動にも参加しました。人と話すのが好きで、内向的というより外向的な性格です」と採用担当者に伝えても、「ボランティア活動に参加した」という社会的・公的事実に嘘はありません。性格のようなあいまい・定性的な面については、多少内容を盛っても細かく確認のしようがなく、しかも好印象を与える可能性があります。こうした嘘は利得のみを一方的に享受できるので、嘘をつくことのメリットは大きいといえるでしょう。
・嘘がアピールと評価されることも
嘘をついていることがばれても、それが重大なものでなければ、本人のやる気やアピールと捉えられ、好印象につながる可能性もあります。
たとえば、就活生が面接の場で、「学生時代にサークル活動の部長として50人の部員をまとめていました」と伝えた場面を考えてみましょう。続いて面接官が「本当に50人もいたのですか?」と聞き、就活生が「実際に活動に参加していたのは10人ほどでした・・・」と答えたとします。
このとき、サークル活動の部長をしていたという社会的・公的事実があるのなら、多少の量的な過大報告については、「少しでも自分をアピールし、うちの会社に入りたいと気持ちの表れ」とみなされ、微笑ましく受け取られる場合があります。
面接やエントリーシートで嘘を伝えることには、少なからずデメリットがあります。実際に何かを誇張するなど、嘘を織り交ぜて就活をするというのなら、以下の点を覚悟しましょう。
●自責の念がつきまとう
もし採用担当官に嘘をつき、それで採用された場合、「面接のときに嘘をついたなあ」「エントリーシートで嘘のことを書いたなあ」という記憶が、その後もずっと残ることになります。とくに、その企業が「どうしても入りたかった企業」「定年まで勤めたいと考えている企業」であれば、嘘をついたことへの自責の念が、大なり小なりその後の人生につきまとうことになるでしょう。
人によってはそのことがストレスになったり、「どうせ嘘をついて入った会社だから」と愛着がわかなくなったりして、入社後早々に退職することにつながる場合もあります。
●仕事内容と自分の資質がマッチせずに早期退職
性格・強みといった人格に関する嘘は、採用する企業側としても確認しにくいです。そのため、本当は内向的なのに外向的と伝えたり、人見知りの性格なのに社交的でリーダーシップがあると伝えたりしても、確認が容易な社会的・公的事実に嘘がなければ、基本的に大きな問題にはなりにくいです。
しかし、嘘をついた上で採用され、企業側が本人の申告内容に合わせて部署の配属や業務内容を決めた場合、それが本来の自分の性格・強みとマッチせず、能力を発揮できないという状況が起こる恐れがあります。たとえば、本来は内向的で人見知りをする性格なのに、営業部に配属される。本当は集中力がなく体を動かすことが好きなのに経理部に配属される、といったことです。
この場合も、自分に合わない仕事ばかり任されるので、入社して数年ほどで辞めてしまう、という事態が起こりやすくなるといえます。
社会人を対象としたアンケートでは、就活で嘘をついたことのある人は約4割に上り、実際に嘘をついた人の約7割が、嘘の内容で高評価を得たとの調査結果が出ています。
とくに性格・強みなどの点については、短い面接時間では確認しきれない面があるため、嘘をついてもばれにくいです。嘘で高評価につながるなら、嘘をついた方がよいという思いも生じるでしょう。
しかし、就活時に嘘をつくと、その後に社風と自分の性格のミスマッチが生じたり、自分の本来の資質にあった仕事を任されなかったり、といった問題も生じます。もし就活時に嘘をつくなら、こうしたデメリットがあることを覚悟する必要があるでしょう。
なお、嘘といっても、許されるのはあくまで性格や強みなどの性質的な面で、社会的・公的事実に反する嘘は厳禁です。学歴詐称や、経験のないことを経験したと伝えるのは重大な虚偽なので、行わないようにしましょう。
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